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2014年9月5日金曜日

「ギャー」ツシマヤマネコ at 福岡市動物園

ニャンニャン言わないのです

本日、「動物園・水族館ニュース 日刊 Zoo Ring」を編集していて気になったのがこちらの記事です。
4月に生まれたツシマヤマネコの最新の動画、8月20日の様子が公開されています。

ちょっとノイズが大きすぎて聞き取りにくいのですが、時折撮影者を威嚇して吠えているようです。
声が微妙で聞き取りにくいのですが、吠えていますよね。

2分ちょっとの動画なのですが、終始この調子で、近所のネコのように、ニャンニャンと甘えてくる様子はありません。

それでも十分に可愛いのですけれど。

ツシマヤマネコ。Wikimediaより。著作権情報

鳴き声が謎なのです

ツシマヤマネコは私がよく通う井の頭自然文化園にもいました(現時点でもいますが非展示)ので、鳴き声を聞いたことは、あります。

隣のケージにいたアムールヤマネコに対して、威嚇するようなギャーという鳴き声でした。

そもそもヤマネコは見に行っても寝ていることが多いですし、動き始めたら動き始めたでひたすらケージの中をぐるぐる回ってばかりなので、「鳴く」シチュエーションがなかなか無かったりします。

私が鳴き声を聞いたのも、何かの折にアムールヤマネコがツシマヤマネコに接近しすぎて、お互いにギャーと一声吠えあった場面でした。
「何かの折」という場面は何日も通わないと遭遇できないので、鳴き声を聞けたのはこの何年かで2回くらいしかなかったと思います。

私の動物園仲間の間でも、ツシマヤマネコの鳴き声は謎とされています。
ギャーを聞いたことがある人は何人もいるのですが、いかにもネコっぽいニャンニャンを聞いた人は一人もいないのです。

子ネコなら?

仲間内にこういう仮説を立てた人がいました。
「ヤマネコは単独生活が基本なので、甘える声を出す相手がいないだけではないか。子ネコが親ネコに対してなら、ニャンニャンと鳴くのではないか」

この仮説を検証できる状況が、この春訪れました。

井の頭自然文化園で生物学的に非常に近い種(実は同じ?)とされるアムールヤマネコに赤ちゃんが生まれたのです。

福岡市動物園のツシマヤマネコは貴重な繁殖用の個体なので公開されることはありませんが、アムールヤマネコなら普通の動物園動物として公開されます。
実際、生後2か月半でアムールヤマネコの赤ちゃんは我々の前に出てきてくれました。

まだ動物園という環境に慣れていなかったのでしょう。私たちに向かって「ギャー」とやってくれました。
ちょうど今日の福岡市動物園の動画みたいな感じです。

その後、本日に至るまで私は何度か鳴き声を聞いたのですが、すべて「ギャー」でした。
仲間に聞いた話になりますが、「母親に向かってもギャーだった」とのことです。

子ネコならニャンニャン仮説は分が悪いようです。

実はネコがイレギュラー?

改めて考えてみると、トラとかライオンの赤ちゃんがニャンと鳴いたという話を聞いたことがありません。
(ニャンと鳴いている動画などがあればぜひ教えてください。聞きたいです)

ネコ科の動物はもしかしたら、そもそも「ニャン」とは鳴けないのが当たり前で、「ニャン」と鳴けるイエネコのほうが珍しい生き物なのかも知れません。

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