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2014年8月12日火曜日

害獣、ですよね カピバラ at かみね動物園

昨日分の、日刊 Zoo Ring 動物園ニュース、水族館ニュースでもう一つ気になる記事があったのを忘れていました。
参考:

カピバラ。Wikimediaより。著作権情報

全滅

まずは、かみね動物園のブログの記事2本をお読みください。

カピバラのものすごい食欲が分かっていただけるかと思います。とにかくあるだけ食べてしまいます。
ま、生き物ですから、ここまではいいのです。

問題は、「根こそぎ」いってしまっていることです。

6月のクローバーはその場で全滅。
オーチャードグラスは8月に一度再生できたものの、やはりカピバラを投入すると根こそぎ食べられ、結局、全滅という結果になりました。

そして、自然に再生されることはなくなってしまいました。

人との共存

もしも、南米で農業をやっていて、田畑にカピバラが入り込んでしまったらどうなるか。
あるいは牧畜をやっていて、牧場にカピバラが入り込んでしまったら。

カピバラは野生では群れで暮らす動物です。10頭以上のカピバラが一気に侵入してきます。

緑が全滅させられてしまうのは目に見えています。
農作物が、あるいは牧草が。

農業被害という点では、日本の台風などと変わりないですよね。

カピバラが農業の邪魔をするのが問題なのか、カピバラが棲んでいるようなところで農業をするのが問題なのか。

いずれにせよ、同じ空間で、農家とカピバラは共存できる関係にはないようです。

生態系の破壊

もう一つ、南米では生態系の破壊という問題があります。

人間がジャングルを切り開いて田畑にしていくので、カピバラの棲むところがなくなって、という話ではありません。

害獣として、ピューマやジャガーといった、カピバラを捕食する動物が殺され、絶滅が危惧されるほどに数を減らしてしまっているのです。
そのため、逆にカピバラは近年、数を増やしてしまっているそうです。

結果、農業被害は拡大中だそうです(ソースはこの前読んだ百科事典の記事。どの百科事典だったかすぐに思い出せません)。

日本でオオカミが絶滅した結果、シカが繁殖して貴重な高原植物を食い荒らしている、というのに話の構造は似ています。
ですが、高原植物と違い、農作物は食べられて全滅させられてしまうと、それで人が食っていけなくなってしまうという直接的で深刻な問題になってしまいます。

だからといって、ジャガーを放っておいて人が襲われても困るわけでして。

生態系というのはなかなかやっかいですね。
でも、人が何かやろうとすると、生態系と関わっていかざるをえないです。我々が日本で歩く道一つとっても、きれいに舗装されてしまっており、そういった意味で、もともとの生態系を既に破壊してしまっているわけですし。

カピバラとジャガーを元のままにして、人間がそこから出ていく、という選択肢もまたあり得ないのです。
そうやって日々の糧を得ている人がいる以上は。

人が増えすぎたのかな、かといって、増えたからといって簡単に減らせるものではないよな、とか、考えさせられる、かみね動物園のブログ記事でした。

書いた人は、こんな読まれ方をするとは思っていなかったでしょうけれど。

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