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2014年8月5日火曜日

カピバラはプールで熱中症にならないのか?

今朝、日刊 Zoo Ring の記事を作成していて気になったのは、那須どうぶつ王国のブログの記事です。
参考:
日刊 Zoo Ring 伊豆アニマルキングダムでミナミコアリクイの赤ちゃん誕生他 今日押さえておきたい動物園・水族館ニュース・セレクション
那須どうぶつ王国 Official Blog いろいろな暑ーい寝姿

「いろいろな暑ーい寝姿」と題して、動物たちの暑さ対策が写真入りで解説されています。

ハクチョウとアザラシが同じプールで泳ぐところなど、魅力的な写真もあります。なぜアザラシが裏返って泳いでいるのかは謎ですが。上野動物園でもよく裏返って泳いでいますね。余談でした。

ここでふと気になったのが、アザラシもそうなのですが、プールで涼をとっているカピバラです。

水の中でも熱中症になる

先日のニュースで、東京の杉並区の学校で、水泳中の生徒が熱中症になったと報道されていました。
プールにつかっていても、体温が上がってくると人間は汗をかくため脱水症状を起こし、やがては熱中症を引き起こしてしまうという原理だそうです。
参考:

カピバラの場合は?

ここで心配なのが、最初の話に戻って、プールで涼をとるカピバラです。
写真を見た限りでは那須どうぶつ王国のカピバラのプールは日光をさえぎるものが無いように見えます。
これだと、杉並区の学校と同じように熱中症になってしまうのでは、とふと心配してしまったのです。

しかし、これはどうやら間違った擬人化のようでした。

そもそも全身の汗腺が発達していてだらだらと汗をかける、というのは人間の特徴の一つです。
他の動物だと暑くてダウンしてしまうような高温下でも、汗をかくことで体を冷却し、活動し続けることができるのは、人間の特権だったりするわけです。
イヌが舌を出してハアハアするだとか、ゾウが耳をパタパタさせるだとか、そういった方法に比べると、汗による冷却能力は圧倒的です。その副作用が脱水症状なわけです。

ということは、そもそも汗をかけないカピバラはどうするのでしょうか?
ずばり、水に入って体全体を冷やすという分かりやすい対応をとっているというのが、最初の那須どうぶつ王国の写真ですね。
汗をかいているわけではありませんから、脱水症状にもなりません。

人とカピバラの比較

強引に結論を出すと、カピバラは汗をかかないのだから、水につかっていることで熱中症になることはない、ということになります。
が、もう一つ、前提条件が足りていませんでした。
人がプールで熱中症になるのは、そもそもプールの中で激しい運動をした場合のことです。水風呂に入って涼んでいるだけなら、人でもそこまで危険な状況にはならないでしょう。

では、カピバラが水中で人と同じくらい激しい運動をしたら?
汗をかかない分、脱水症状を引き起こすことはないのでしょうが、やはり一定以上の水温で一定レベルを超える運動をすると体温が上がって熱中症にはなるのではないかと思います。
そんな可哀想な実験は見たくないですけれど。

ということで、今日のお話のまともな結論は2つです。
  • ヒトとカピバラは生き物として別の特徴を持っているのですから、カピバラを擬人化して考えるのは間違いのもとです。
  • ヒトはカピバラと違い汗をかきます。水中でもです。プールでは熱中症に気をつけましょう。
以上です。



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